かにの通販の実力とかに通の友人

蟹の産地で生まれた友人がいます。子供の頃のおやつと言えば、かにの足であったといいます。驚くことに小学校の給食でも蟹料理が良く出たというのです。そんな産地で暮らしたことのない者にとっては、ちょと信じられない話です。その彼はやはり蟹料理にはうるさく、先日もある会合で蟹料理が出されたのですが、手もつけませんでした。彼に言わせると、蟹料理はどこそこの街の港で水揚げされたものに限る、というのです。彼が生まれ育った街なのでしょう。お国自慢を否定するするつもりはありませんが、海は繋がっており、港によって味が異なるというのは疑問が残るのです。海水や食べているものの差で多少の差はあるにせよ、個体差もあるでしょうから、ブランドを否定するつもりはありませんが、そんなに差が無いような気もします。また、彼が言うにはかにを通販で買うことは信じられない、というのです。

確かな店で、自分の目で見て選ばなければ美味しいものには出会えないというのです。その美味しい蟹を販売する彼の生まれた街の店も指定されました。生まれた街で水揚げされたものしか口にしていない彼の言葉が本当に正しいのか、通販のかにのファンとしては、なんとか反論したく、そのチャンスを狙っていたのですが、先日そのチャンスがいきなりやっていました。知人が偶然に彼が推薦している店から蟹を贈ってくれたのです。知人が贈ってくれることなど想像もつきませんでしたから、ありがたかったのですが、ちょっと困惑したのは、たまたまいつものネットショップでこちらもかにの通販を頼んでいたからです。かにがダブってしまったのです。そこで、彼を呼んでご馳走することにしたのです。以前、推薦された店から送ってきた蟹があるから、と連絡すると彼はすぐに飛んできました。まずは、刺身にして楽しみ、そして洗い。新鮮な足を洗いにすると身がはじけ花が咲いたようになるのです。そして、蒸ガニ、そして焼きガニ。箸休めにはほぐした身で酢の物を作っておきました。無論、鍋も外すわけには行きません。鍋の最期はいつものように雑炊となりました。いったいぜんたい、鍋料理をしたいのか最後の雑炊を食べたいから鍋をするのかわからなくなるくらいこの雑炊は美味しいのです。

すべて食べ終わった後で彼に、本当のことを話しました。半分は推薦された店のかにであり、もう半分は通販で買ったものであったことを。それを聞いた彼はこう言ったのです。海は繋がっているから、と。